マイクロウエーブ展で石川会長が基調講演をしました
2014.12.10
基調講演:12月10日 (水) 10:05-10:55 Room 1 (アネックスホール F201+F202)
マイクロ波ミラー衛星と海洋インバースダムを中核としたグローバルスマートグリッド構想
-究極の再エネと究極の省エネを狙う-
Global Smart Grid Conception Using Microwave Mirror Satellite Collaborated with Marine Inverse Dam
石川 容平 (京都大学生存圏研究所 特任教授)
エネルギーをめぐる国際的紛争は21世紀になっても絶えることが無い。エネルギーシステムは国家の
最も重要なインフ ラであるにもかかわらず、その資源は国境線とは無関係に存在するからである。わが国は火力発電の燃料を海外に依存し ており、経済、安全保障の基盤は脆弱である。そのため自給率向上に向けた再生可能エネルギー(以下、再エネ)の利用推 進が叫ばれている。しかし電力系統は、火力/水力/原子力に代表される安定電源を基本に設計されており、分散型電源 の持つ不安定な品質と逆潮流の問題は、再エネ比率向上の政策実現を大きく阻害している。 海洋インバースダムは気候の影響を全く受けず動作する揚水発電システムであり、再エネを含む全てのエネルギーを水力 発電によって優れた品質を持つ電力に変換する。またわが国に限らず紛争地域を経由する電力の輸送や国際間取引には一 般的に大きなリスクを伴う。衛星を経由した長距離マイクロ波電力伝送はこの種の問題解決に大きく貢献する。 ここでは静止軌道上のマイクロ波ミラー衛星と電力のバッファリング機能を持つ海洋インバースダムを組み合わせたグ ローバルな電力系統への期待と可能性を述べる。
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