会長挨拶
海洋インバースダム協会会長
石川 容平
海洋インバースダムの会は2013年10月に発足し、翌2014年に一般財団法人化され今年は設立後10周年を迎えることになりました。海洋の豊富な再生可能エネルギーをその場で蓄積・平準化する海洋インバースダムの基本技術は確実に進歩を遂げてまいりました。その間、わが国のエネルギーを取り巻く環境は大きく変化しました。一つは電力の完全自由化、もう一つは再エネの本格導入です。両者ともにわが国の電力産業界の質的向上と産業活性化に大いに寄与したものと思われます。
わが国における海洋の再エネは太陽光、風力、波力だと考えられます。世界第6位の広大なEEZ(排他的経済水域)を持つわが国は、世界でも有数の再エネ大国と言っても過言ではないと思われます。海洋の再エネの効率的利用は、温室効果ガスの削減とエネルギー安全保障の大幅な改善に繋がります。
私たちはこの膨大な再エネを導入するために再エネ電源の変動性を平準化すると同時に、瞬時に需給バランスを取るためのデバイスとして、海洋インバースダムの研究を進めてまいりました。また、絶対量を導入するために再エネ密度の高い海域確保を最重要と考え、EEZ 圏内で他産業や電波システムに干渉しない大深度海域で利用可能となる基礎技術を調査・研究してまいりました。
風況の安定した海洋性気候を利用した大深度の洋上風力や波力は利用しやすく、太陽光発電との併用によって安定した再エネを作り出すことが期待できます。また、大深度では全てのデバイスを浮体式にし、それらを高精度なマイクロ波電力伝送で接続する方法が有効です。さらに、大深度における巨大な浮力を利用した洋上エネルギープラットフォームの設置を検討しています。 洋上エネルギープラットフォームはグリーン水素、アンモニア等の生産拠点となり、港湾設備を備えた海洋産業の基盤として機能し、未利用であったEEZ海域の有効利用に繋がると確信しています。わが国の21世紀型の海洋産業の創出と発展のため、多くの産業界からの参画をご期待申し上げます。
協会の理念
- 地球表面の 70% を占める海洋を大地と同様、研究開発と利用促進の対象とする
- 主たる物質循環を司る海洋の生物多様性を考慮した科学技術と産業発展を基本とする
- 太陽起点の地球経由宇宙に拡散する自然エネルギー流の利用を基本システムとする
- 気候や人間生活圏に影響を及ぼさない 未利用空間の再エネ摂取と利用を基本とする
- 社会科学・自然科学が融合した 学際的研究成果を反映した再エネシステムを基本とする
- 巨大インフラの国際競争力確保は水平分業化された 強固な連合組織体を基本とする
会長の部屋
協会概要
名称 | 一般社団法人 海洋インバースダム協会 |
会長 | 石川 容平 |
発足年月日 | 2014年10月1日 |
所在地 | 〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町233番地 京都スクエアビル4-C |
電話番号 | 075-741-6082 |
沿革
2013年10月4日 | 産学コンソーシアム 「海洋インバースダムの会」設立 ・発起人代表:松本 紘(京都大学 総長) ・会長:石川容平(京都大学生存圏研究所 特任教授) |
2014年10月1日 | 一般社団法人 海洋インバースダム協会 設立 ・代表理事会長:石川容平 (京都大学生存圏研究所 特任教授) ・代表理事:間瀬 肇 (京都大学防災研究所 教授) ・代表理事:小西哲之 (京都大学エネルギー理工学研究所 教授) ・外部評価委員会委員長:豊田正和 (エネルギー経済研究所 理事長) |
組織図
案内図
事務局
〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町233
TEL:075-741-6083